痔ろうの治療について[ABOUT TREATMENT]

痔ろう 肛門疾患の中で一番厄介な病気

  • 痔ろうとは肛門小窩(こうもんしょうか)と言う直腸と肛門の境界にあるくぼみ、又は裂肛など肛門にできた傷口に最近が入り込んで感染(化膿)を起こす病気です。

    肛門小窩から肛門腺と言う袋状の腺組織(せんそしき)があり、下痢や身体が疲れたりして免疫力が低下した時に肛門腺で炎症が起こり、それが悪化するとそこで腫瘍を形成します。この状態が肛門周囲膿腫と言う痔ろうの前段階になります。この腫瘍が自然に破れるか、切開処置して排膿した後に化膿を起こす道(瘻管)が形成されます。これが痔ろうと呼ばれます。

  • 痔ろう断面図

一旦痔ろうになると化膿を繰り返し、トンネルが途中でアリの巣のように枝分かれをして進行し、長期間(約10年以上)放置すると癌化を起こし痔瘻癌になります。痔瘻癌になるとほとんどの方が治療の甲斐なく数年以内に亡くなります。

痔ろうの治療について

まず、痔ろうは手術をしないと治らない病気です。
治療法は大きく2つあります。1つは痔ろうのトンネル(瘻管)にゴムなどを通すシートン法と呼ばれる切らない手術と、もう1つは痔ろうのトンネル(瘻管)を切除する手術があります。

それぞれにメリット、デメリットがありますが、シートン法のメリットは比較的簡単に日帰りで行えることです。デメリットは肛門にゴムなどの異物を長期間(長い人は5年以上)着けたまま生活し、外来通院を続ける必要があります。切除する方法に比べて再発率も高くなります。入院設備のない診療所は主にこの治療となります。

切除する方法のメリットは治療期間が約2〜4ヶ月と短期であり再発が少ないことです。デメリットは長期入院が必要となります。

シートン法 メリット 比較的簡単に日帰りで行える。
デメリット 肛門にゴムなどの異物を長期間着けたまま生活し、外来通院を続ける必要がある。
切除する方法に比べて再発率も高い。
瘻管切除 メリット 治療期間が約2〜4ヶ月と短期であり再発が少ない。
デメリット 長期入院が必要。

300余年の歴史を持つ肛門疾患の専門病院
だからできること

当院では主に切除する方法(瘻管切除)で手術を行っています。前述で切除する方法のメリットで再発が少ないと書きましたが、もともと痔ろうの再発率は専門病院でも約5〜15%、一般病院では約30〜50%と高率で再発する厄介な病気です。なぜ再発するかですが、ほとんどが経験不足で不完全な切除であるからだと思われます。

当院では長い歴史の中で試行錯誤を繰り返し、代々受け継がれてきたやり方を改良し、経験を積むことで再発のほとんどない手術を行っています。(再発率は約1%未満)
個々の病状によって肛門括約筋を温存するためシートン法を組み合わせて手術することもあります。

痔の根治治療を目指し「再発、合併症のない安全かつ確実な治療」を提供します。
怖がらず、恥ずかしがらず遠慮せずに当院へお越しください。

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